ガンダムは1979年からテレビアニメで放送が開始されました。
それまでもロボットアニメは多数放送されていましたが、なぜガンダムはこれほどまでファンが多く、なおかつ40年近くも色あせることなくシリーズ化され、現在まで根強いファンが存在するのでしょうか。
その理由は、〝ガンダムは現実の世界を想定した世界〟だからです。
それまでのロボットアニメは正義の味方、敵が明確に設定されていました。しかしガンダムは、連邦軍とジオン公国という国家同士が戦い、その内容は複雑なものになっています。
さらに各ロボット(モビルスーツ)は現実に存在しうるようなリアルな描写で描かれています。
シリーズ化されていけばいくほどよりリアルさが増し、ファンは飽きることなくガンダムを愛し続けてきたのです。
それと同時にガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」も爆発的な人気となり、40年の時を経て進化し続けています。
ここではその「ガンプラ」にスポットを当てていきたいと思います。
マスターグレードは大人になった当時の子供たち向け
ガンプラは初代ガンダム放映時から存在していましたが、時を経るごとに色分けされ、間接にポリキャップを多用することにより可動範囲が広がり、モールドもよりリアルに情報量が多くなっていきました。
スケールは1/144、1/100、1/60等と変化はありませんが、1998年から1/144は「HGUC」シリーズが発売開始、1995年から1/100は「マスターグレード」シリーズが発売開始され、1998年から1/60は「パーフェクトグレード」シリーズが発売開始されました。
この「マスターグレード」通称〝MG〟は、大人向けのガンプラを作ろうというコンセプトが発端となっています。
値段も3000円~10000円ぐらいの価格帯の製品が多く、製品自体もかなりリアルに作りこまれています。
ちょうど子供のころアニメでガンダムを観ていた世代が、大人になってそこそこの金額でも購入できる年齢になったことを考えてのことでしょう。
このシリーズは現在も継続して様々な種類が発売されています。しかも初期MGよりもより進化し、リアルさが増しています。
カトキハジメ氏のVer.Ka
1989年に刊行された「GUNDAM SENTINEL~THE BATTLE OF “REAL GUNDAM”~」、通称「ガンダム・センチネル」のSガンダムをデザインしたカトキハジメ氏は、その後のガンダム設定画稿に多大な影響を与え、さらにそのデザインは大人気となりました。
そのカトキハジメ氏がデザインしたマスターグレードシリーズは、「Ver.Ka(バージョンケーエー)」と呼ばれ、今なお新製品が発売されており、高い人気を誇っています。ZZガンダムVer.Ka、ニューガンダムVer.Kaは特に秀逸です。
人気の理由としてはやはり、現実に存在する航空機をモチーフにパネルラインや主翼フラップ等を盛り込んでいたり、ムーバブルフレームを考慮した密度の濃いパネルラインのモールドを再現したりしている点でしょう。
当時の「ガンダム・センチネル」も〝リアルな現実、本気の現実〟を追求しようとしたので、そのコンセプトを現在も継続しているのです。
ニューガンダムVer.Kaは、1/100でありながら全指可動を成し遂げましたし、UC0093年からUC0096年のユニコーンガンダムにつながる、各部に露出したサイコフレームを無理なく再現しています。
今後もよりリアルさを追求した逸品を発表してくれることでしょう。
Z(ゼータ)系の機体
「Zガンダム」は、ガンダムの中でもファンが非常に多い機体の一つでしょう。そのため派生したZ系の機体バリエーションも多く、マスターグレードでも製品化されている機体が多いです。
例えばZガンダムはもちろんのこと、「Zプラス」、「リ・ガズィ」、「百式」、「デルタプラス」、「リゼル」と数が多いです。 Zガンダムはマスターグレードでも、カトキハジメ氏が設定画稿を担当した初代版、さらに2005年に発売されたVer.2.0が存在します。
それと同じく拡大解釈による設定画稿の種類も豊富です。2012年に刊行された、「マスターアーカイブモビルスーツ MSZ‐006 Zガンダム」という書籍があります。
Zガンダムの初期型〜後期型のデザインが掲載されています。こちらに掲載されているZガンダムのフォルムはどちらかといえばVer.2.0に近い設定画稿です。
人によって好みは分かれると思いますが、元はあまり詳細まで描かれていないアニメのデザインですので、解釈の仕方が多様になっているのです。
航空機を目指したZプラス
カトキハジメ氏が設定画稿を担当したマスターグレードの初代・Zガンダムのデザインコンセプトでもあった、「モビルスーツを航空機として表現する」という偉業を体現した機体は何といっても「Zプラス」でしょう。
マスターグレードのZプラスにおいてもそれは遺憾なく発揮されています。
例えば主翼の前側(前縁)についている「スラット」、主翼の後ろ側(後縁)についている「フラップ」の表現、垂直尾翼を思わせるテールスタビライザー、ZプラスA1型に見られるタイヤのランディングギア等々、随所にその航空機的表現が表れています。
実際のZプラスの設定もモビルスーツ状態の頭頂高が19.86mで、現用戦闘機のF22ラプターの全長が18.92mなので、大きさもほぼ同じくらいです。
ZプラスC1型の機体色もグレーのロービジで、現用戦闘機に使用されているカラーリングにも見られる色です。既に前述した1989年に刊行されたガンダム・センチネルにも、航空機としてのZプラスが描かれていました。
当時、この航空機的なZプラスを目の当たりにして驚いた方も多いことでしょう。 Zプラスはさらにそのバリエーションも豊富で、C1型、A1型、A2型、B型等が存在します。
マスターグレードではC1型、A1型(テスト機カラータイプ)、A1型(ユニコーンVer.)が製品化されています。
ジェガンもマスターグレードに!
「ジェガン」はジム系モビルスーツの後継機として開発され、UC0093年(ニューガンダムの時代)~UC0123年(ガンダムF91の時代)まで連邦軍で運用された機体であり、バリエーションも豊富です。マスターグレードでは今まで製品化されていませんでしたが、2018年にようやく製品化されました。
1/144でもジェガンのバリエーションが数種類製品化されています。
ジェガン系の機体でマスターグレードが存在するのは、「ジェスタ」等です。
ちなみにジム系のマスターグレードはたくさん製品化されており、UC0080年(ガンダムNT-1・ポケットの中の戦争)の「ジムコマンド」、UC0083年(ガンダムGP01他・STARDUST MEMORY)の「ジム改」、UC0096年(ユニコーンVer.)の「RMS-179ジムⅡ」等、非常にマニアックな機体まで製品化されています。
手に入れたい限定品
ガンプラの歴史の中で、もはやなかなか手に入りにくくなっている製品がたくさん存在します。
いくつか例を挙げると、ガンプラEXPO限定販売商品「MG 1/100 サザビーVer.Ka メカニカルクリア」、「RE 1/100 ガンダム試作4号機 ガーベラ クリアカラーVer.」、限定ガンプラである「1/144HGUC ガンダムMk-Ⅱ (ブルーメッキバージョン)」等があります。
その中でも「PG 1/60 ゼータガンダム マルチコーティングver(イベント限定)」や「ガンプラ30周年限定モデル エクストラフィニッシュバージョン」は、かなりのレア商品であり高額で取引されています。
しかしいくつか限定品がある中でも、「1/100 MSZ-006-3 ゼータガンダム3号機 ホワイトユニコーンカラーバージョン」等は手に入りやすいかもしれません。
これら以外にも、プレミアムバンダイ限定、ガンダムベース限定等々たくさん存在するので、限定品が発売された時点で収集しておくことをおすすめします。
ガンプラはこれからも進化し続ける
現在のガンプラは、多色整形、LED内蔵可、ボールジョイントによる可動域の増加は当たり前ですが、最近ちょこちょこ見られる一体成型による全指可動の手、全身のモールドの細かさなどは、今後より一層進化していくことでしょう。
1/144のRG(リアルグレード)の出来の良さからしても今後の進化に期待が持てます。さらに以前発売された機体も〝Ver.2.0”としていくつも発売されているので、今後もさらにリアルさが追求されることでしょう。
特におすすめなのは、「買取トレジャー」という会社です。
年間買取数50万点以上で、一つ一つ丁寧に査定してもらえます。